平成23年度 県の予算編成に対する要望

重点要望事項

  1. 県では、平成22年度から向こう3年間で約920億円という大幅な財源不足が見込まれる中で、構造的な財源不足の状態を解消するために、今年度より行財政改革アクションプランに基づく対策を進めているところである。
    かつては、他県との比較において高い健全性を維持してきた本県財政であるが、景気の長期にわたる低迷、あるいは国の財政を立て直すことを基本に進められた「三位一体の改革」等の外的な要因によって、急速にその健全性は失われた。さらに、これまで、国の景気対策に呼応して積極的に公共投資を進めた結果、本県の公債残高は急激に膨らみ、平成21年度まで公債費は増加の一途を辿ってきた。加えて、急速な高齢化社会の進行が社会保障関係費の急増を招き、財政は硬直化の度合いを増している。
    このような状況に鑑みた場合、早急に本県の財政構造を見直すことは喫緊の課題であり、知事が強力に進めている行財政改革の必要性を否定するものではない。しかし、県関係団体や市町村に対する補助金のカット、各種事業の見直し(休止・廃止)、公共事業費の抑制等歳出削減ばかりが、いたずらに強調されている現在の行財政改革によって、本県の元気が失われていく現状を大変憂慮するところである。
    行財政改革の目的は、県の財政構造を将来にわたり持続可能なものへと再構築することにある。しかし、県民の目には、単に「県の財源不足を解消するための手段」として映っているのではないかと危惧する。その結果、県内には閉塞感が蔓延し、多くの県民は将来に希望を持つことができず、自信を喪失していると感じられてならない。
    政治に求められる最も重要な役割は、将来に向かって県民に夢と希望を与えることにある。知事には、今一度古田県政の原点とも言える「確かな明日の見えるふるさと岐阜県づくり」に立返り、県民が岐阜県民であることに誇りを持てる社会の構築に邁進する姿勢を示し、「元気な岐阜県づくり」を進めてほしい。 そうした観点から、平成23年度当初予算の編成に際しては、次の諸点について十分に配慮されたい。 

    1. 所要の財源(県税、地方交付税等)の確保に万全を期すこと。特に、地方交付税の増額について、国への働きかけを強めること。
    2. 成長が期待される産業分野への支援強化を図ること。
    3. 企業立地の推進、観光交流の拡大等地域活性化に欠くことのできない東海環状自動車道西回り区間の整備をはじめ、将来の税源涵養につながる施策を積極的に推進すること。
    4. 力強さに欠ける本県経済を本格的な回復基調へと導くため、国と協調した、あるいは県独自の効果的な景気対策を推進すること。
    5. 景気の下支え効果の高い公共事業費の確保に努めること。また、工事等の発注に当たっては、県内業者を優先するとともに、中小企業の受注機会の増大、地域の実勢価格を反映した適正な予定価格の設定等が行われるよう、さらなる制度・運用の見直しを推進すること。
  2. 地震、局所的豪雨等の自然災害や重大事故等各種危機事案に対する地域の安全確保、治安維持、地域医療水準の充実、安全な食の確保等、県民が安心・安全に暮らしていくために必要な施策を推進されたい。
  3. 非正規雇用者、低所得者、高齢者、障がい者等社会的弱者が安心して暮らしていくために必要な施策を推進されたい。また、依然として低迷を続ける本県の雇用情勢が自律的な回復に至るまでの間、実効性あるセーフティネット施策の継続・強化を図られたい。
  4. 本県農業を、補償に依存しない強い農業へと体質改善を図るため、担い手への農用地集積の促進、県産農畜産物の高品質化・ブランド化の推進、国内外への販路拡大等農業所得の向上につながる施策を推進されたい。また、深刻の度合いを深める鳥獣被害に的確に対応するために必要な施策の強化を図られたい。
  5. 児童虐待に的確に対応するための社会環境、及び児童生徒のいじめ、問題行動等に的確に対応するための教育環境を確立されたい。また、児童生徒の、確かな学力・豊かな心・健やかな体の調和を重視する「生きる力」を育むために必要な施策を推進されたい。
  6. 平成24年の「ぎふ清流国体・ぎふ清流大会」に向け、選手の競技力向上、会場となる県及び市町村の競技施設の整備・改修、交通環境の整備等開催準備を加速されたい。

総務関係

  1. 緊急時における安全管理体制の確立、予測困難な自然災害から県民の生命と財産を守るため、市町村との連携強化等、防災体制の充実強化を図られたい。
  2. 県民が必要とする情報が迅速かつ的確に提供されるよう、県民の視点に立った広報・広聴に努められたい。
    特に、緊急時等における重要な情報については、全県民に対して確実に行き届く仕組み・体制を整備されたい。
  3. 地方財政の健全化のみならず、今後さらに増嵩する地方の財政需要に対応していくために、地方交付税の復元・強化をはじめ持続可能な地方財政の確立について、国への働きかけを一層強化するとともに、財源の確保に積極的に取り組み、歳入確保に万全を期されたい。
  4. 行財政改革アクションプランの具体的実施にあたっては、県民の意見や県内情勢の変化、新たな行政課題の現出等を踏まえて、柔軟にプランの内容を見直すことを基本に推進されたい。
  5. 振興局等現地機関の今後のあり方については、それが地域活力の一端を担っているという現状や、それぞれの地域の実情等を十分に踏まえて、慎重に議論を進められたい。
  6. 県民から信頼される透明性の高い行政運営を行うため、風通しの良い組織づくりや、職員のモチベーションを高めるための環境づくりを推進されたい。
  7. 県有施設の修繕工事、庁舎管理等委託業務及び物品の取得等について、引き続き県内業者への優先発注に努められたい。
  8. 「ぎふ清流国体・ぎふ清流大会」に向けた選手の競技力向上対策、会場となる県及び市町村の競技施設の整備・改修など、開催準備を推進されたい。

企画経済関係

  1. 地方自らの判断と責任において、地域の実情に応じた活力ある地域社会の実現を図るため、地方分権の推進を図られたい。
  2. 本県への人口流入促進のためのU・I・Jターンに対する取り組みや、過疎地域における小規模集落等の生活維持のための取り組み等、人口減少対策に努められたい。
  3. 岐阜情報スーパーハイウエイの見直しにあたっては、利用者の通信サービスを確保することを基本に、市町村と十分に協議を行った上で、今後の方針を決定されたい。
  4. 観光客数や観光消費額の増加に向け、観光振興に努められたい。
  5. 今後成長が期待される産業分野に対して、産学官連携による共同研究の推進や人材育成に対する支援に努められたい。
  6. 地域経済の担い手である中小企業を支援するため、制度融資による資金調達について、信用保証枠の拡大、借入事務手続の簡素化、手続期間の短縮等、より利用しやすい制度となるよう努められたい。
  7. 地場産業の振興と県経済の活性化を図るため、国内外の見本市出展への支援とともに、新商品開発、人材育成の支援に努められたい。
  8. 中心市街地の活性化を図るため、空き店舗の活用支援やにぎわい創出イベントの開催支援のほか、魅力ある個店を育成するための商品開発や店づくりへの総合的な支援に努められたい。
  9. 地域産業基盤の強化を図るため、積極的な企業誘致に取り組むとともに、既存企業の県内留置も視野に入れた立地インセンティブとしての企業支援に努められたい。
  10. 厳しい雇用情勢を踏まえ、雇用の創出、就労環境の向上、就労支援等雇用対策を強力に推進されたい。
  11. 亜炭鉱廃坑対策について、陥没被害が多発している地域の調査及び予防措置の実施について、国へ強く働きかけられたい。

厚生環境関係

  1. 意欲ある担い手に対する農地の面的集積による安定的な農業経営の実現や、新規就農者に対する相談から就農、定着までの一貫した支援、企業による農業参入の支援等、多様な担い手の育成・確保に努められたい。
  2. 県産農畜産物の高品質化・ブランド化の推進、農業の6次産業化及び農商工連携による付加価値を高めた商品開発、販路の拡大並びに品質や生産性の向上等のための農業施設の改修に対する助成等、県産農畜産物の競争力向上につながる施策の充実・強化に努められたい。
  3. 農業用水路の整備・改修や、ほ場の整備、農地防災対策など農業農村整備事業の計画的な実施を図るとともに、農村の美しい景観や豊かな自然環境を保全するための取組を支援し、魅力ある農村づくりに努められたい。
  4. 地域の被害実態に応じた市町村鳥獣被害防止計画の作成支援、地域協議会の設置支援等、県内全域で効果的な鳥獣被害対策を推進するための施策の充実・強化に努められたい。
  5. ぎふクリーン農業の推進、GAP(農業生産工程管理)の普及拡大、家畜防疫体制の強化等、安全・安心な県産農畜産物の確保と提供に努められたい。
  6. 森林資源を有効に活用するため、公共建築物等における木材の利用推進や県産材住宅の建設促進をはじめ、木質バイオマスエネルギーとしての利用促進、「ぎふ性能表示材」の品質確保による県産材ブランド力の向上等、県産材の総合的な利用拡大施策の充実・強化に努められたい。
  7. 健全で豊かな森林づくりのため、平成22年度を始期とする「間伐推進加速化計画」に基づき、間伐を引き続き推進されたい。
  8. 県産材の需要増加に対応するため、森林境界の明確化、施業地の集約化の促進、生産コストを削減する高性能林業機械の導入支援や路網の整備促進など、低コストで安定的・計画的な木材生産体制の強化に努められたい。
  9. ナラ枯れ等の森林病虫獣害対策の充実・強化に努められたい。
  10. 災害に強い森林づくりのため、治山事業の重点的な実施や流木災害を防ぐ適切な森林整備を推進されたい。
  11. 森林づくりの担い手の確保と現場が求める技術者の養成のため、就業支援から人材育成までの総合的な対策に努められたい。

農林関係

  1. 新規就農者の経営支援などによる就農定着や農業教育の充実、小規模農業者の取組支援など、産地や農村を支える多様な担い手の育成・確保に努められたい。また、担い手が安心して農業に従事できるように、経営支援に一層努められたい。
  2. 消費者ニーズへの的確な対応、ブランド力の強化など高付加価値化の推進、新たな販路の拡大など、県内農畜産物の競争力向上を図り、経営として成り立つ農業の実現に努められたい。
  3. 耕作放棄地対策や農業生産基盤及び農村生活環境の一体的整備の推進、担い手への農用地集積の促進、経営感覚に優れた集落営農組織の育成などにより、魅力ある農村づくりを推進されたい。
  4. ぎふクリーン農業の推進などにより安全・安心な農産物(飛騨・美濃じまん農産物)の確保と提供に努められたい。
  5. 健全で豊かな森林づくりのため、平成22年度から開始する新たな間伐推進計画に基づく間伐並びに森林病虫獣害対策を推進されたい。
  6. 低コストで効率的な木材生産を促進するため、施業地の集約化を進め、生産コストを削減する高性能林業機械の導入や路網の整備を推進されたい。
  7. 森林資源を有効に活用するため、県産材住宅の建設促進や公共施設における積極的な利用推進をはじめ、木質バイオマスとしての利用対策など、県産材の総合的な利用拡大対策の強化に努められたい。
  8. 災害に強い森林づくりのため、治山事業の重点的な実施や流木災害を防ぐ適切な森林整備を推進されたい。
  9. 森林づくりの担い手の確保と現場が求める技術者の養成のため、就業支援から人材育成までの総合的な対策を進める他、労働環境の向上に積極的に努められたい。

土木関係

  1. 将来にわたる県民の安全・安心な暮らしの確保や持続的な地域経済の発展に必要な社会資本整備を推進するために、公共事業予算及び県単独建設事業予算の確保に努められたい。
  2. 県発注工事について、県内業者への受注機会の確保及び早期発注を図るとともに、土木・建築工事等における県産品、県産材及びリサイクル製品の活用、自然共生工法の普及をより一層推進されたい。
    また、国等の発注についても受注機会が確保されるよう努められたい。
  3. 公共事業の工事発注においては、労務費や資材価格等の地域別の実勢価格を適正に反映した積算となるよう一層取り組まれたい。
  4. 観光、産業などの広域交流の基盤となり、活力ある県土づくりに寄与する東海環状自動車道西回り区間、東海北陸自動車道の4車線化、濃飛横断自動車道等道路ネットワーク整備を推進されたい。
  5. 東海・東南海地震等大規模地震に備え、橋りょうや建築物の耐震化等防災対策を推進されたい。
  6. 維持補修に係る予算の所要額を確保するとともに、予防保全的な維持補修を進め、橋りょう等道路施設の長寿命化を図られたい。
  7. 局地的豪雨による洪水、土砂の崩壊等から県民の生命、財産を守る安全・安心な県土づくりのため、治水対策及び土砂災害対策を一層推進されたい
  8. 地域の雇用や地域の安全・安心を守る建設業の活力維持への取り組みを支援されたい。
  9. 中心市街地における賑わいの再生や、豊かな生活環境空間の創造に寄与する都市基盤整備など、魅力あふれるまちづくりを推進されたい。
  10. 公共交通機関が維持されるよう支援の継続及び対象の拡充に努められたい。
  11. リニア中央新幹線の開業効果を広く県内で活かすため、広域的な地域づくりに取り組まれたい。

教育警察関係

  1. すべての児童生徒が安心して学校生活を過ごせるよう、いじめ、問題行動への対応及び心の教育を推進されたい。
  2. 児童生徒に対する確かな学力と豊かな心の育成及び食育の推進を図られたい。
  3. 特別支援教育が必要な児童生徒への対応や、外国人児童生徒への支援など、誰もが安心して学べる教育環境の確立を図られたい。
  4. 学校教育の推進にあたっては、家庭、地域とより密接に連携し、幼児期からの教育の充実を図られたい。
  5. 教育の一層の充実を図るため、教職員定数を拡充されたい。
  6. きめ細やかな教育を実施するため、へき地小規模校においても、それらの特性を生かした指導の工夫改善のため研修機会の拡充及びへき地教員の適正配置と充実強化を図られたい。
  7. 県立学校の老朽化に対する改築、耐震化、子どもかがやきプランに示された特別支援学校の整備など、県立学校の整備を推進されたい。
  8. 児童生徒の体力づくりとスポーツ振興の積極的な推進を図られたい。
  9. 美術館など老朽化、狭隘化している施設の整備を推進されたい。
  10. 犯罪のない安全・安心なまちづくりの推進に努められたい。
  11. 治安基盤の拠点である警察施設などの整備・充実を図られたい。
  12. 交通安全施設等の充実を図られたい。
  13. 平成24年「ぎふ清流国体」に向けた警備体制や交通環境の整備など諸対策の推進に努められたい。